第１２話「構って欲しいお年頃」


　　「……あぅ〜、なんかすっごく疲れた気分かも」
　　「誰もいないし、ちょっと座って休んじゃおっと……うんしょ」
　　「ミカ女だと、こんなことでも『はしたない』ことになっちゃうんだもんね……ふぅ」
　　「ぅぅ……優菜お姉さまぁ」
　　「……ちゅう……したいよぉ……」
　　「お姉さまってば最近お忙しくて、わたしもあまりかまってもらえないし……」
　　「委員長のお仕事とか、お家のご用とか、すごく大変そうだけど……寂しいよぉ」
　　「あぁ……お姉さまのちゅう、甘いちゅう……考えただけで、身体がアツくなってきちゃう……ハァ、はぁ」
　　「……な・な・み・ちゃんっ！」
　　「は、はっ、はひっ！？」
　　「こんなトコでボーっとして、いったいど〜したの？」
　　「な、なんだ、葵かぁ……別に、何でもないよ。ちょっと疲れちゃったな、なぁんて……」
　　「ん……七海ちゃん、お顔が真っ赤だよ。お熱があるんじゃないの？」
　　「そっ、そんな事ないよ……うん」
　　「そうかなぁ？　ムリしちゃダメなんだよ。『風邪は万病の元』なんだから！」
　　「本当に大丈夫だよ、葵。ほらほら、この通りぴんぴんしてるよ。でも心配してくれて、ありがとね」
　　「えへへ、よかったぁ。じゃあお隣、座っていい？」
　　「うんっ、大歓迎！」
　　「よいしょっと……でさ、七海ちゃん」
　　「んっ、なぁに？」
　　「七海ちゃん……お熱はないみたいだけど、なにか悩みゴトがあるんじゃない？」
　　「えっ？」
　　「違ってたらゴメンね。でもねでもね、何だか落ち込んでるみたいだから……」
　　「そうかな……うん、そうかもしれない……」
　　「あのね、葵じゃ頼りないかもしれないけど、お話し聞くくらいならできるよ」
　　「……うん、ありがと」
　　「でねでね、七海ちゃんの悩みって恋愛カンケイでしょ？」
　　「うぅ……うん、まあね……そんなところかな」
　　「やっぱり恋愛って、いっぱい悩んじゃうよね〜。葵もいつも、すっごく悩んじゃうもん」
　　「それって、例の『ユウくん』の事？」
　　「あぅっ！？　ちちちっ、違うよぉ！　ユウくんは葵の生徒、教え子なだけだもん！」
　　「あは、そうだったよね、ウンウン……ゴメンね」
　　「あぅ……あぅ」
　　「で、でもさ、家庭教師やってるなら、毎日会ってるんだよね。それってなんだか……羨ましいかも」
　　「それは、一応……お隣りさんだし、ほとんど毎日会ってるよぉ☆」
　　「恋人……ううん、そんな可愛い生徒と毎日会えるなんて、すごくいいよね〜」
　　「……七海ちゃんは、好きな人と毎日会えないの？」
　　「ううん、毎日顔は合わせてるよ。でも……最近ね、あんまりかまってもらえないの」
　　「そんなぁ……かわいそうだよ、七海ちゃん」
　　「好きな人が側にいるのに、かまってもらえなかったら、葵だったら泣いちゃうよ」
　　「葵はいつも、ユウくんにかまってもらってるんだ……（ピー）学生の彼に……」
　　「んっ、何か言った？」
　　「ううん、何でもないよ」
　　「こうなったら今日は、葵が七海ちゃんをい〜っぱい、励ましてあげるからねっ！」
　　「そ、そう……ありがと……」
　　「うぅ……何か話がヘンな方向に行きそうな気がしてきたけど……大丈夫かな？」

次回に……続くっ♪

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