第６話「フツーじゃない！？」


　　「……フフフッ」
　　「麻生　凛……勉強ができて、世渡り上手。神出鬼没で、みんなを驚かせることもしばしば」
　　「一見何を考えてるかわからない、クールビューティ、どこか大人の雰囲気漂っていて……」
　　「うぅっ、その不思議魅力の半分でもわたしにあったら、お姉様ももっとわたしを……」
　　「お姉様？　それに七海、アンタさっきから誰に話してるの？」
　　「さ、さぁ……？　わたしもちょっと疲れてきたかも……えへへっ」
　　「まあ、今は七海はいいわ……話が逸れたけど、アンタの話も聞かせてもらうわよ、凛っ！！」
　　「ええ……別にいいけど……」
　　「凛ちゃんって、いつもクールな感じだけど、エッチなコトもポロッと言ったりするよね」
　　「うんうん。いかにも馴れてるって感じ」
　　「そう、それよ！　アンタのそのムダ知識はどこから来てるの？　やっぱりヤマしいヒミツが……」
　　「……どういう意味？」
　　「決まってるじゃない、アブない経験を重ねているから、自然と身についているとか……そういうコトよっ！」
　　「……ええ、そうだけど……」
　　「ほら見なさいっ！　やっぱり……やっぱ……えぇっ！？」
　　「り、凛ちゃん……やましくて、アブないの？」
　　「ネットとかレディコミとかで情報収集してるんじゃなくて、本当に実践なのっ！？」
　　「えぇ……最初の知識はそういうメディアから得るけど、今は『実践』しているわ」
　　「あ、アンタ、そんな顔してしゃあしゃあと……で、でもなかなかヤルじゃない」
　　「……美咲の方が動揺してる……よっぽど意外だったみたいね」
　　「べ、別に……いやにあっさり認めるから、つい……ね」
　　「……隠してたワケじゃないわ、誰にも聞かれなかったから……」
　　「じゃあ、聞いてもいい？　という事は凛にも……恋人がいるって事？」
　　「凛……にも？」
　　「い、いや、あの……まあ、わたしは一応、好きな人、いるかな……みたいな」
　　「意外だわ……七海ってまったく男の匂いさせてないから、てっきりフリーだと思っていたのに」
　　「え、えへへっ、わたし、まだまだ子供っぽいからかもね……」
　　「そうね……七海は、『女の匂い』、しかしないものね……フフ」
　　「だだだっ、だってわたしぃ、女の子だも〜ん……え、えへへ」
　　「そう……でも葵や美咲にも、素敵な人がいるみたしだし」
　　「そそそっ、そんなコトないよぉ！」
　　「わっ、ワタシは、別に……とにかく凛、今はアンタの話を聞きたいのよっ！」
　　「うんうんっ！　って、凛ちゃんの恋人って、どんな感じの人なの？」
　　「……どっちの事、聞きたい？」
　　「どっ……どっち！？」
　　「どっちって……どういうコト？　まさかアンタ、二股かけてるんじゃ……」
　　「……ある意味、そういう事になるのかもね。でも毎日、至って平和なものよ」
　　「平和って……女の子１人に、男の子２人だったら、絶対ケンカになりそうだよね」
　　「でも凛、選べないで二股ってコトは、どっちも好きで……その、悩んだりしてるの？」
　　「……二股？　男２人？？　ちょっと違うけど……ただ私、どっちともたっぷり楽しんでいるだけよ」
　　「楽しんでるって……仲良く遊んでるの？」
　　「……えぇ、とっても仲良く遊んでいるわ。昨日も３人で一晩中……」
　　「……っ！？」
　　「……二人とも、片方だけと私が『遊ぶ』と、とても怒るのよ……」
　　「……でも、二人とも負けず嫌いで底なしだから……朝までなんて事もしょっちゅう……ふぅ」
　　「………………」
　　「………………」
　　「………………」
　　「あ……あの……わたし、今日はそろそろ帰ろうかなーって……」
　　「あら、もう帰るの？」
　　「あ、葵もそろそろ……５時から、ユウくんの家庭教師だし……」
　　「そう……残念ね。それじゃまたね、七海、葵」
　　「み、みんな帰るんだ……じゃあワタシも、帰ろっかな……」
　　「……美咲、私の事、いろいろ聞きたがっていたじゃない。それに暇なんでしょ？　これから２人でゆっくり……」
　　「……また今度にしておくわ、じゃあね！」
　　「あらあら……残念ね」
　　「凛ちゃん……ちょっと怖いかも」
　　「凛もそうだけど……結局、みんな結構フツーじゃなかったりしたりして……」
　　「ああ、優菜お姉様……か弱い七海を守って下さいっ！」

次回に……続くっ♪

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