第3話「美咲のウワサ?」


  「ぜぇ、はぁ、ぜぇ……」
  「うぅ……美咲ちゃん、こわいよぉ」
  「何が何だかよくわからないけど……美咲が激怒してて、その原因が葵なのは確かみたいねね」
  「そう……血の海が見られるかもしれない……ふふっ」
  「このワタシに対して、よくもあんな言葉を吐けたものね、葵。覚悟なさい!!」
  「うるるっ、ホントにごめんなさいっ! あ〜ん、凛ちゃんも七海ちゃんも、見てないで助けてよぉ〜」
  「助けてあげたいけど……葵、いったい何を言ったの?」
  「えと、えとね……かくかくしかじか……」
  「ええっ!? 葵ってば、小学生に手を出してたのっ!?」
  「ちちち、違うモン! 葵はユウくんの家庭教師、してるだけだもん!」
  「ふぅん……ふぅぅん……」
  「……信じてないでしょ、七海ちゃん」
  「ううん、信じてるわよ。すっごく♪ ところでそのユウくんって……」
  「ウン……これ『ユウくん』の写真」
  「あら、可愛い男の子じゃない。葵も隅におけないわね〜♪」
  「だから、違うモン!」
  「でもこの子、本当に可愛い……子役のテレビタレントって言われたら、信じちゃうかも……」
  「そ、そうかな……えへへ」
  「ムムム……『えへへ』じゃないっ! 傷つけられたワタシの品格はどうなるの!?」
  「あぅ……あぅぅ……」
  「まあまあ……葵が何言ったのか知らないけど、許してあげて?」
  「いーえ、絶対に許せないわっ! ワタシがそのユウくんに会いたいって言ったら……」
  『悪い道に引きずり込むからダメ』」
  「なんて言ったのよ、葵はっ!!」
  「だって、だって……美咲ちゃん、すごいウワサいっぱいだし……」
  「なっ、なっ……なんですってぇ!?」
  「ブチッ、って……怒りで血管、切れたみたい」
  「み、美咲、落ち着いて! とにかく葵、ひたすら謝りなさい!」
  「うぅ、ごめんなさいごめんなさい、ごめんなさぁい……」
  「葵っ、どこの誰がそんなヒドいウワサ流してるの!? 隠すとタメにならないわよ!」
  「うぅぅ……みんな、言ってるもん。美咲ちゃん、いろんな男の子達と付き合ってるって……」
  「なっ……ななっ……」
  「あら……でも私も、聞いたことあるけど」
  「じ、実はわたしも、何度か……あはは」
  「じょ、ジョーダンじゃないわっ!」
  「そんな根も葉もないウワサ、もしお兄様の耳に入ったら……ワタシ、もう生きていけな……あうっ」
  「キャーッ!? 美咲ちゃん、倒れないで!」
  「……いつも血圧MAXの美咲でも、顔面蒼白になったりするのね……ふふっ」
  「しっかりして、美咲! 大丈夫だよ、校内での噂だもん、おうちの人の耳になんて入らないって」
  「ヒドい、ヒドすぎる……ワタシ、こんなに立派でまともなのに……そんなウワサが流れるコト自体、許せないわっ!」
  「あまりに申し訳なくて、生きていけない……お兄様に顔向けできない〜〜〜っ!?」
  「わたしはお兄さんより、お父さんやお母さんに聞かれる方がまずいと思うけどなぁ」
  「美咲ちゃん……なんか、かわいそう……」
  「とにかく美咲、しっかりして! アナタがくじけたら、噂を認めた事になっちゃうよ?」
  「えっ……イヤ、ダメ、ジョーダンじゃないわっ!」
  「怒りエネルギーで復活ね。さすが七海……美咲の扱いには慣れてるわね」
  「いやぁ、それほどでも……あるけど♪」
  「とにかく、危ないところだったわ。そんな悪いウワサ、断じて認めるワケにはいかない……」
  「そう、そうよ……ワタシがしっかりしなくちゃ!」
  「そうそう。美咲がしっかりしていれば、そんな自然と噂も消えちゃうよ」
  「でも、そうかなぁ? 火のないところに、煙は立たないよ?」
  「キッ……なんですって?」
  「あぅ! な、何でもない……」
  「どうやらワタシ、アナタ達にまで誤解されているようね……とにかくみんな、聞いてちょうだい!」
  「あぁ……長い話になりそうなヨカン……」
  「ドキドキ……ワクワク……」

次回に……続くっ♪

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